不動産担保に変わるもの

新しい課題

バブル期はもちろん、バブル崩壊後もしばらくの間は、不動産があれば、それが担保として・価され、金融機関から借入を受けることが出来ました。 ところが、金融ビッグバン以降、「貸し渋り」「貸し剥がし」という現象が生じ、不動産は、その担保としての価値を減少させ、今や、不動産はその有していた、担保としての機能をほとんど失ってしまいました。

不動産の担保価値が失われていく状況で、金融機関は、貸付を行う際に、何を担保にするのでしょうか。 不動産担保に変わるものは何なのでしょうか。 金融検査マニュアルの内容からすると、決算書がその役割を担うことは間違いがありません。 会社の信用能力を測る物差しが、決算書になるということです。
内容の良い決算書が借入金の担保になるのです。 内容の良い決算書を金融機関に提示するためには、企業の業績そのものが健全でなくてはならないのです。

正しい決算書を作成し、自信を持ってそれを公開する。

決算書が企業の信用能力を測る物差しになるということは、新たな課題が出てきます。
ひとつは、決算書が正しいものであるか、決算書に印字されている数字に信頼性があるかという課題です。 金融機関が、企業の信用力を、決算書に基づいて判断するのですから、決算書そのものが正しいものであることは絶対の条件になってきます。
正しい決算書であるという事実と、客観的にそのことを証明してくれるもの、この二点が非常に脚光を浴びるようになります。
正しい決算書を作成し、自信を持ってそれを公開する。 もう所得をごまかして、脱税をしたり、粉飾決算をして、利益を水増しをしたり、そんな時代ではなくなったのです。
不正を隠してきた企業の多くが、不正の発覚と同時に、企業存亡の危機に瀕する状況に追い込まれることを見ても、不正やごまかしが以下にリスクの高いものかお分かりだと思います。正しい方向へ向くために企業を取り巻く環境を理解し、進むべき方向も頭では理解できても、これまでの意識を変え行動を変えてゆくことは、並大抵のことではありません。ポイントは3点です。

1 トップが意識を変革させ、到達点を明確にイメージし、到達までの期限を決めること。
大枠の方向と、目標達成期間を明確にしないと何事も始まりません。 そのためには、トップである経営者が、劇的な意識改革をしなければなりません。 基本的には、これができれば、もう実現は約束されたといってもよいくらいです。

2 あせらずに一つ一つ問題解決すること
目標は現実とは離れたところにあります。 一足飛びにそこへ向かうことばかり考えると失敗します。 目標へ向けて階段を一歩一歩上ることが大切です。 初めから、現状から目標までの階段をすべて明確にしなくてもかまいません。 目標させしっかり見失なわなければ、そこに向かう道はいくつもあるのです。 たとえば、目標達成まで50段分あるとします。 今の時点で5段しか階段が見えなくても心配しなくてよいのです。 最初の一段に集中して、一段を上ることに専念すればいいのです。 階段を3段登ったときに、6段目から10段目までが自然と見えてくるようになるのです。

3 絶対にあきらめない
いつも順調とは限りません。 階段一段が簡単にクリアーできるときもあれば、一段クリアーするのにとても苦労をするときもあります。 また、50段はいつも昇りばかりではなく、一時的に下りもあります。 道のりの途上で辛い時期が必ずありますが、目標達成の秘訣は、「絶対にあきらめないこと」なのです。

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